株式会社テクリコ
MR(複合現実)を活用した全く新しいリハビリ機器、“リハまる”。その新しさだけでなく、医学的効果の面でも高い評価を受けて注目を集めています。今回はそんな“リハまる”を開発した株式会社テクリコ様にお話を伺いました。
企業理念〜すべての人が楽しく健康維持できる世界へ〜
当社のミッションは「誰もが簡単に使える最先端のITを提供」することであり、ビジョンは「すべての人が楽しみながら暮らすことができる世界を実現する」ことです。
高齢者であることを理由に可能性が奪われることがないように、“すべての人”に“楽しみ”ながら健康維持をしていただけるようなサービスを提供しています。
製品開発の工夫
弊社はもともとIT企業として、エンターテインメント系の開発を行ってきました。これらの背景から、ゲーミフィケーションを生かしてモチベーションを高く維持する工夫を凝らしています。また、実際に高齢者の方に使っていただいたり、医療従事者と密な意見交換を行ったりして、“効果的”かつ“楽しい”製品を開発しています。
コンテンツは各認知機能に分けた形で開発を行っており、実際に使用する医療従事者もわかりやすいようなコンテンツ開発を行っています。
医療従事者や家族へのサポート
リハまるでは、グラフなどを使って、患者さんの視点や軽微な変化を定量化できるようにしました。そして今までわからなかったことがわかるようになったため、医療従事者が患者さんにより質の高いリハビリを提供することができるようになりました。また、これによって日常生活における困り事も分かりやすくなり、ご家族の支援もしやすくなりました。
MR×リハビリ
リハまるの中核はMR(Mixed Reality;複合現実)という技術です。MRは現実空間内にホログラムを浮かび上がらせるもので、高齢者にとってもなじみやすいものとなっています。「難しいからできるかな。」とおっしゃる方も中にはおられますが、積極的にお使いいただく方がほとんどです。使った後も「面白かったわ。またやらせてな~」「ほかのリハビリはしんどいけど、リハまるやったらやる」といった前向きな患者さんが多くいらっしゃいます。
医療従事者からも、リハまるを使うことで患者さんが痛みを忘れて楽しんでリハビリをすることができるので、モチベーションも高く実施できると伺っています。
弊社はIT企業であるため、MR技術が日本に入ってくる前から着目し、いち早く研究開発に取り組んでいました。VRで実装された製品が多い中、MRで実装しているのは弊社のみです。また、UIやゲーミフィケーションのノウハウを持っているため、だれもが使いやすく、楽しみながら行える設計ができます。大学病院・リハビリ病院と多くの研究を行い、さまざまなエビデンスを出していることも弊社のアピールポイントです。
楽しくADL向上へ
MRは現実空間が見えているため、日常生活に近い環境で行うことが可能で、この技術を用いることでADL(=日常生活動作)向上と楽しさを両立できました。
一般的なテキストなどをひたすら行ったり、楽しいことをしたりするだけではADLに般化されにくいという論文があります。患者さんにとってリハビリの時間が楽しくあり続け、しかも、効果の高いものを提供したいという目標が第一にあったからこそ開発ができました。
医療機器開発分野での役割
医療・福祉はどちらかというと、“固い”イメージがある業界で、日本ではそのイメージ通りなかなか進歩しにくい現状があります。弊社は、そのようなイメージや実情を変えるため、プラットフォームなどの基盤づくりを行う役割を担う必要があると考えております。今までないようなことにトライし、その経験を活かしたプラットフォームを確立することで、今後参画するチャレンジャーがより動きやすく、すぐに展開できるようにしていきたいです。第一人者として後継者に、知見を共有しながらともに広げるための役割を担いたいと思っています。
他社との差別化
弊社はMRという技術にいち早く着目をして、大学病院との共同研究および開発を行い、エビデンス・ノウハウを蓄積してきました。医療機器登録も行い、日本国内で特許を取得し、国際出願も行っています。また、現在は社内に作業療法士・言語聴覚士もいますので、医学的知見を基にした開発をスムーズに行うことができる体制を整えています。
今後は医学的エビデンスの蓄積をさらに強めていくほか、コンテンツ開発、事業を展開することにより、リハビリテーション機器という1つの製品にとどまらないヘルステック事業を展開していくことで差別化を図っていきます。
世界に向けた事業展開
日本は、世界から見ても最も高齢化が進んでいる「超高齢化社会」です。特に高齢者の健康寿命、病気からの社会復帰等は、弊社のヘルステック事業として進めている分野です。
先日、行われました「International Planning Meeting(国際企画会議)(https://kyodonewsprwire.jp/release/202210258755)」にて、リハまるの取り組みを紹介し、国際博覧会の責任者らに向けた情報提供を行いました。日本でのモデルを大阪万博までに完成させ、大阪、日本、世界へと展開し、発展途上国・先進国問わず、“すべての人が健康である”世界を実現したいと思います。
※1リハまる サービスの3つのポイント(公式サイトより)
MR(複合現実)の最先端技術で、3D空間での立体的リハビリトレーニングをご提供。コンテンツ性あふれるリハビリが現場の景色を劇的にチェンジ!
M日々の検査・訓練のデータは自動入力され保存することができます。データに基づいて患者様が行うべきトレーニングメニューを選択することができ、効果のある個別性の高いリハビリテーションを提供できます。
M医科大学との共同研究やや臨床現場での研究により、エビデンスに基づいたコンテンツを開発!